日本消化器病学会雑誌
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Print ISSN : 0446-6586
アメーバ性肝膿瘍の経過中にアナフィラクトイド紫斑病を合併した1例
田村 美保池田 隆明小山 知行松本 智子村上 武司山岡 一昭星野 裕治神谷 紀之細井 英雄渡辺 守
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2002 年 99 巻 11 号 p. 1355-1359

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抄録

症例は43歳の男性, 発熱, 右上腹部痛を主訴に入院した. 肝膿瘍と診断し, 経皮経肝ドレナージを施行した. 赤痢アメーバ抗体陽性より, アメーバ性肝膿瘍と診断した. メトロニダゾールの投薬で膿瘍は縮小傾向を示したが, 下腿部の紫斑, 下血をともなう腹痛が出現した. 18Aの上昇, 凝固XIII因子の低下よりアナフィラクトイド紫斑病の合併を考え, プレドニゾロンを投薬し軽快した. 成人例の両者の合併例は報告がなく示唆に富むと考え報告した.

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