日本消化器病学会雑誌
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Print ISSN : 0446-6586
早期胆管癌を合併した限局型原発性硬化性胆管炎の1例-本邦報告例の検討を含めて-
海江田 衛浜田 信男石崎 直樹中村 登門野 潤福枝 幹雄坂田 隆造東 美智代北島 信一米澤 傑
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2002 年 99 巻 3 号 p. 307-312

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抄録

症例は74歳,女性.画像検査で胆管壁は肝門部から三管合流部まで全周性に肥厚し内腔は狭窄していた.進行肝門部胆管癌と診断し拡大肝右葉切除術を施行した.病理組織診断では,一部の粘膜に早期の胆管癌が存在したが,狭窄部のほとんどの胆管壁は線維性肥厚と周囲には強い炎症性細胞の浸潤がみられたことより,早期胆管癌を合併した限局型PSCと診断された.限局型PSCの胆管癌合併例は極めてまれで若干の文献的考察を加え報告する.

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