2002 年 99 巻 5 号 p. 523-526
35歳,男性.主訴:悪心・嘔吐.上部消化管x線検査,内視鏡検査,CT,腹部血管造影で十二指腸狭窄をともなうgroove pancreatitisが考えられた.ERCPが施行できなかったため,膵管の微小癌を否定できず,幽門輪温存膵頭十二指腸切除術を施行した.組織学的には十二指腸固有筋層の変性,消失とBrunner腺の過形成および十二指腸乳頭部,膵頭部からgrooveに広がる高度の線維性筋性増生がみられた.十二指腸狭窄の原因であると考えられた.