日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
直接心膜浸潤し心タンポナーデを来した胃癌の1例
小林 雄一新谷 哲司松井 秀隆畠山 祐子大石 久史壷内 栄治横田 智行村上 英広池田 宜央宮崎 龍彦二宮 朋之井内 英人道堯 浩二郎堀池 典生恩地 森一
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2002 年 99 巻 6 号 p. 600-604

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抄録

症例は58歳,男性.上腹部痛を主訴に当科外来を受診した,上部消化管内視鏡検査で胃癌と診断し,精査加療目的で入院した.第20病日に急激な呼吸困難,血圧低下で心タンポナーデで発症し,心嚢ドレナージ術を施行したが,第51病日に死亡した.病理解剖では,胃癌が横隔膜を介して心膜へ直接浸潤していた.胃癌による心臓転移はまれであるが,心タンポナーデの可能性も念頭におく必要があると考えられた.

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