日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
びまん性膵管狭細化像を呈さず,軽快と増悪を繰り返した自己免疫性膵炎の1例
住吉 信一菊山 正隆松林 祐司影山 富士人小平 知世山田 貴教笹栗 毅和北中 秀法小林 良正室久 敏三郎
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2002 年 99 巻 6 号 p. 635-641

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抄録

48歳男性.黄疸の精査のため入院した.膵の腫大と下部胆管の狭窄,尾側膵管の軽度拡張をともなう頭部主膵管の限局性狭窄が認められた.IgGの増加と抗carbonicanhydrase-II(CA-II)抗体や抗lactofferin抗体の陽性があり経皮的膵生検ではリンパ球浸潤をともなった線維組織が認められ自己免疫性膵炎と診断した.下部胆管狭窄は自然に軽快し退院したが6カ月後に黄疸が再発しステロイド治療を行い症状は速やかに消退した.自己免疫性膵炎の自然経過を観察できた症例と考え報告した.

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