論文ID: cr.2021-0034
【目的】遺残性原始舌下神経動脈に脳底動脈窓形成を合併し,窓近位部に発生した脳動脈瘤の破裂により,くも膜下出血を来した症例を経験したので報告する.【症例】48歳,女性.左内頚動脈から分岐する遺残性原始舌下神経動脈と脳底動脈窓形成を合併し,窓近位部に発生した小型動脈瘤の破裂によるくも膜下出血を発症した.急性期にNeuroform Atlasを使用したステント併用コイル塞栓術を行うも,治療4時間後に再出血を来し,転帰不良となった.【結論】今回,ステント併用コイル塞栓術で瘤先端部の止血を計画したが,窓形成部の親動脈近傍に出血点が存在した可能性がある.出血点の評価には,十分な検討が必要である.