脳血管内治療
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神戸宣言,その後:急性期脳梗塞に対する血管内治療の普及の取り組み各地方の取り組み 近畿地方
今井 啓輔山上 宏白川 学中川 一郎中澤 拓也八子 理恵吉村 紳一今村 博敏髙木 俊範坂井 信幸
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ジャーナル オープンアクセス 早期公開

論文ID: oa.2018-0021

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抄録

【目的】近畿地方での脳梗塞の急性期血行再建術(Emergency NeuroEndovascular Revascularization: ENER)の現状を明らかにし今後の対策を提起する.【方法】Recovery by Endovascular Salvage for Cerebral Ultra-acute Embolism (RESCUE)-Japan Project の全国実態調査のデータと,第4 回日本脳神経血管内治療学会(JSNET)近畿地方会での特別企画「神戸宣言─その後─」の二府四県の発表内容から近畿全体・各府県の現状と取り組みをまとめる.【結果】ENER の治療数は大阪府が,人口当たりの実施率は兵庫県が最多であった.専門医・治療施設の都市部への集中に伴い,各府県の二次医療圏別の治療数も都市部に偏っていた.ドクターヘリの活用と救急隊との連携強化は全府県で取り組まれていた.【結論】近畿二府四県のENER 治療数には都市部とそれ以外の二次医療圏の間で格差が存在していた.治療数の格差是正だけでなく,都市部での治療施設の集約化と都市部以外での治療施設の設置,近隣の二次医療圏同士の連携強化,遠隔医療システム支援下でのヘリコプター搬送など多面的なアプローチにより,近畿地方の全住民がENER を迅速に受けられる救急医療体制を構築していくべきである.

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© 2019 特定非営利活動法人 日本脳神経血管内治療学会

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