日本農村医学会学術総会抄録集
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第54回日本農村医学会学術総会
セッションID: 1D01
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一般演題
在宅介護支援センターが地域で求められる役割 
5年間の実績から今後の課題    
高橋 欣子板井 きみ菊地 誠
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抄録

はじめに
在宅介護支援センターを金沢市では「金沢お年寄り介護相談センター」と親しみある名称で呼んでいる。当院が市からの委託を受けて設置され丸5年になる。要援護高齢者及び要援護となる恐れのある高齢者とその家族を支援する機関である。定期的な家族介護教室や介護予防教室を地域で開催する中で、高齢者自身が取り組んだり支えあう力を引き出し、生き生きと地域で暮らせるような支援を目指す転換期となってきたと考える。今後多様化してくるニーズに対応できる相談センターを目指すために、今後の課題も含めて検討した。
【研究期間】
平成11年4月から平成16年3月
地域状況(平成16年4月現在)
 大徳地区人口は22,826人 その内高齢者は3,059名で、高齢化率は13.4%(金沢市平均17.9%)で、市内でも54地区中45番目に高齢化率の低い地域である。
【研究方法】
5年間の当相談センターの活動についての実態を調査し、検討した
【結果・考察】
介護に関する事、サービス利用、医療、介護予防、経済的問題、生活に関する事等多岐にわたるが、最近は親子関係の問題などが多い。こういったなかで高齢者虐待などの問題もみられる。問題解決困難事例については、フォーマルとインフォーマル機関との協力体制や、地域ケア会議の開催等で、解決への努力を行なった。一事例ごとがセンターの今後の活動に役立つ機会となった。初めは地域でセンター活動の展開が、受け入れられるまでの苦労が多かったが、町会長や民生委員の定例会への定期的出席と、日常的な情報交換等を行なっていく中で、地区の各種団体にも周知され、相談センターの役割を理解してもらえるようになった。各種教室については、H12年からH13年度は、一方的な開催になりがちで求められる教室に至らなかった。しかし、継続的な運動、体力測定など個別的なこと、製作活動などテーマの工夫で、地域の中でも介護予防に着目され、高齢者自身も、自分自身の健康や介護予防に関する関心も高くなってきている。
このように、地域に受け入れられるようになったのは、私達がより地域に関心を持ち、個々のニーズに応えていくことで、徐々に小さな輪が広まって、地域に理解が得られるようになったのだと考える。困難事例が発生し、地域を巻き込んだり、解決に至った経緯を知られることによって相談センターの活動が見えてきたのではないだろうか。
 金沢市は高齢者虐待防止のモデル事業を実施し力を入れており、相談センターへの期待も高まっている。高齢者虐待は、なかなか気づきにくい事であり、地域での無関心関係をなくし問題の早期発見ができるように、また、痴呆症状への早期発見、介護者への支援に努めることが重要である。
おわりに
地域との関わりや多岐にわたる相談に対応できるように、相談センター職員は、自己研鑽と資質向上に努める必要がある。また、ニーズがどんどん変わっていく中で、魅力ある相談センター事業が展開できるように高齢者や地域とのよりよい信頼関係を維持していき、相談センターが地域の身近な相談機関としての役割を保つことは重要である。

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© 2005 一般社団法人 日本農村医学会
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