日本農村医学会学術総会抄録集
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第54回日本農村医学会学術総会
セッションID: 1D02
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利用者アンケートからみる利用者満足度
荻原 弓弦宮澤 初恵山浦 さゆり
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抄録

【はじめに】
当院の居宅介護支援事業は介護保険施行の平成12年4月よりスタートし、当初6名による兼任であったが、平成15年10月より専任化された(3名)。また、佐久病院関連では9つの居宅介護支援事業所(以下佐久病院関連ケアマネ連絡会とする)を地域にて展開している。今回居宅介護支援利用者773名に対し、入院、入所者を除いた658名を対象にアンケートを実施し、428名(65%)からの回答が得られたので集計結果を分析し報告する。
【目的】
自らのサービスの質の評価を行ない、より良い居宅介護支援サービスの提供をするため、利用者側からの満足度、サービスに対する評価、介護保険制度についての理解度を調査する。
【方法】
平成16年11月に、長野県から配布された利用者アンケート調査票をもとに、修正したアンケート(21項目の質問(1)事業所の内容と介護保険制度の説明(2)職員の対応とサービス利用の満足度(3)サービスに対する良いところ、不満や改善、自由な意見・希望)を訪問時に依頼し、無記名方式で郵送等にて回収を行った。集計結果は平成17年3月に利用者、事業者に報告を行なった。
【結果】
利用者背景としては男女比(男性45%女性55%)年齢(65歳未満16%,前期高齢者20%,後期高齢者64%)介護度(要支援5%,介護度1は34%,介護度2は21%,介護度3は15%,介護度4は12%,介護度5は13%)世帯構成(独り暮らし11%,高齢世帯29%,ニ世代20%,独身の子供とのニ世代15%,三世代以上25%)である。また、多くの利用者より意見を頂いた。居宅介護支援事業所への意見のみならず、サービス事業者、行政への意見も見られた。
【考察】
(1)ケアマネジャーの言葉遣いや態度などの対応については概ね良好で安心して暮らせるようになったという回答が多く寄せられた。ケアマネジャーが身近な存在になり、利用者意識の変化や介護保険制度に対する理解度・活用が定着してきている。(2)事業所についての説明(ケアマネジャーの交替、契約を止める場合、苦情相談)について理解されている方が少なかった。介護保険利用開始時は契約制度に対する不慣れ、介護に対する不安、新しいことを理解するのに困難な状況にあることを考慮し、繰り返し説明することが必要である。(3)ケアプランへの利用者の参加について不十分な結果がみられ、今後も計画作成時における十分な説明と同意による利用者の参画がよりできやすい工夫が必要である。
【おわりに】
利用者アンケートを通し居宅介護支援に対する満足と共に、様々な意見、苦情があることを把握できた。こうした意見を受け止め高齢者が要介護状態になっても、安心して住み慣れた家で生活できるよう支援していく。そのための質の向上に努力したい。

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© 2005 一般社団法人 日本農村医学会
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