日本農村医学会学術総会抄録集
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第54回日本農村医学会学術総会
セッションID: 1C09
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一般演題
体と健康プラザ・患者図書室を開設して
伊藤 洋二山本 直人伊藤 秀治小島 伸平岩井 愛子
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抄録

【はじめに】
今日、急性期病院においても癒しの環境作りに取り組み、患者満足度を向上させることが求められるようになった。当院では平成16年3月、患者および家族が医療情報を自由に検索できる「体と健康プラザ・患者図書室」を開設し、一般図書、医学図書の貸出しやインターネット(以下ネットに略)による情報提供サービスを開始した。
ここでは患者及び家族に対し、入院療養生活において図書およびネットにより医療情報を提供し、患者とともに治療を考え、同時に入院環境に癒しを提供するため、一般図書、絵本、写真集、さらに最近CDブックを加え、貸出を行なっている。開設一年を経て、その利用状況等を分析し報告する。
【方法】
院内に図書室を新設し、ネット端末2席、読書席4席、蔵書約2,500冊(平成17年4月現在約4,000冊)の設備を設け、常駐係員1名を置き平日10時-17時を開室時間として行なった。
【結果】
利用状況:月平均約300名、一日平均15名の利用があった。
また時間帯別の利用者数は、午前中2時間で1日の40%を占め、午前中の利用度が高かった。
癒しの環境面での利用:図書については、職員より話題の図書が相次いで寄贈され、読書好きな患者、家族に好評だった。
ネットでは様々な趣味嗜好により情報の閲覧が可能であり、また病院でネットが使えるということの新鮮さも相俟って好評だった。ただし、ゲームやメール、チャット等での利用は遠慮いただいた。またその他のネットの使用法として、小学生向けの学習サイトを、長期入院中の児童の自習に利用する使用法も有効だった。
医療面での利用:図書については医学事典や専門書を多数揃え、初めに基礎的情報を得るのに使用した。特に年輩の方は初めはネットのディスプレイ上の文字より、書籍の紙上の文字を志向する傾向があった。また病名等を憶え違えていると、ネットで検索しても該当しないことがあるので正確な名称を確認するためにも情報検索の最初は医学事典が有用だった。ネットについて、検索内容においては、原因、症状、治療法、予後の注意事項、同病の患者が自ら作成したHPでの体験記、日常生活での工夫事項、便利な機器その他多種多様な情報が閲覧でき、画面印刷も可能であり利用者に好評であった。
【結語】
 医療情報の提供は、患者の積極的、能動的な療養姿勢を支える要素の一つと考えられる。ネットの情報は日々更新されるものであり、今後よりよい情報を収集、提供する必要がある。
療養環境の中でも癒しの要素は重要と考えられ、今後、医療情報の提供のみならず、「病気になったおかげで自分の世界が広まった」とプラス思考ができるような、新しい発見をしていただける「体と健康プラザ・患者図書室」を目指したいと考える。

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© 2005 一般社団法人 日本農村医学会
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