日本農村医学会学術総会抄録集
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第55回日本農村医学会学術総会
セッションID: 1C11
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一般演題
当院時間外診療における外傷入院患者についての検討
整形外科的観点より
八田 卓久松原 吉宏舘田 聡
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キーワード: 時間外診療, 外傷, 骨盤骨折
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抄録

<緒言> 当院は650床の病床数を持ち、横手市を中心におおよそ12万人の中核医療機関である。平日17時 から翌8時半まで、土曜(奇数週12時半から、偶数週全日)、日曜祝日(全日)においては時間外診療として救急医療を中心に行っている。数多くの外傷患者が受診し、重傷例に対しては単一診療科による加療だけではなく、複数の診療科による包括的な加療が必要となることも少なくない。当院における時間外診療での外傷による入院患者に対して検討を行ったので報告する。
<対象と方法> 平成14年4月から平成18年3月までの時間外入院患者6036例のうち、外傷による入院患者568例を対象とした。各症例に対して、加療を受けた診療科および複数診療科加療の有無、傷害部位などについて調査を行った。
<結果> 単一診療科による加療患者(以下A群)は469例(82.5%)、複数診療科による加療患者(以下B群)は99例(17.5%)であった。A群における診療科は、整形外科272例(58.0%)と最も多く、次いで脳神経外科92例(19.6%)外科48例(10.2%)形成外科43例(9.2%)であった。A群での傷害部位は頭部99例、股関節95例、腰椎58例と多かった。一方、B群における診療科は単一患者において複数診療科となるため延べ210例となり、整形外科76例(36.2%)と最も多く、次いで外科54例(25.7%)脳神経外科47例(22.4%)形成外科13例(6.2%)であった。B群での傷害部位は頭部46例、頸椎32例、肋骨26例と多かった。
<考察> 日々の時間外診療において特に外傷患者に対しては、迅速に傷害部位を把握し、全身状態の管理、適切な治療を必要とすることが多い。事前に傷害部位の傾向とその疾患に対する理解を深め、適切な対応ができる準備をしておくことが重要と考えられる。また、特に重症例に対して複数の診療科による治療を行うことも多く、各科による迅速な情報の共有、円滑な連携治療を行える体制をもつことが必要と考えられる。

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© 2006 一般社団法人 日本農村医学会
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