日本農村医学会学術総会抄録集
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第56回日本農村医学会学術総会
セッションID: 1E16
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一般演題
胃切患者への指導パンフレットの効果の検討
春日 由美伊藤 智美清田 知佐
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抄録

<はじめに>
日本における胃がんの発症率は欧米諸国に比べ圧倒的に高いことが知られている。胃切除術後(以後、胃切)患者は食事摂取量低下や、消化・吸収の低下により低栄養状態が持続する。このため、食事に対する不安を持ち続けるのではないかと考えた。
原口氏らの研究によると、「胃切後食の開始においての不安を20人中17人持っており食べ方や症状の出現に対するものが多かった。」1)と述べられている。また、井上氏らは「パンフレットは医療情報や知識を提供でき、患者教育にも効果があった。」2)と述べている。以上から当病棟では、これらの不安を取り除くためにパンフレットを用いた支援をしている。しかし、当病棟で用いているパンフレットの効果は評価されていないのが現状である。さらに、病棟看護師からも現在使用しているパンフレットの内容が適切であるか?との声があり、今回新たにパンフレットを見直し、そのパンフレットの効果を検討したのでここに報告する。
<背景>
研究対象者は11名。うち、男性8名、女性3名だった。胃全摘が5名、部分切除が6名の内訳であった。
<考察>
1、 パンフレットを渡す時期:11名中10名が「適切」と答えた。しかし、胃切除したあとの食事について不安の訴えが数人から聞かれた。現在、手術後にパンフレットを渡しているため、患者は今後の食事についての不安を抱いたまま手術に望んでいると考えられる。
2、 指導法:パンフレットを用いることで、患者とのコミュニケーションの場が作られる。しかし、パンフレットは口頭での説明を強調でき、理解しやすくするための1方法であり、一般的な内容である。そのため、患者の訴えを聞いたり、よりきめ細やかな指導を行うことが患者の不安の軽減につながると考えられる。
3、 内容:10名が全項目について「わかりやすい」と答えた。しかし、今回は患者の主観的な意見しか調査できなかったため、調査内容が不足していたのではないかと考えられる。
<結論>
 胃切後患者への指導パンフレットの効果として、以下の事が分かった。パンフレットを渡す時期は9割の人が「適切」と答えたため、よかったのではないかと考える。パンフレットの内容は9割の人が「分かりやすい」と答えたため、適切な内容であったと考えられる。
_V_、おわりに
 患者教育をする上で、パンフレットの使用だけではなく、個別性を図ることで人間関係を作ることが大切であると学ぶことができた。
 今回、対象者が11名と少なく、アンケート内容も簡潔であったため、多面的に評価をすることができなかったのではないか、と考える。今後、患者の意見を多く取り入れ、パンフレットの改善とともに個別性の看護を提供することが課題である。
引用文献
1) 原口他:第34回成人看護_I_2003胃切後患者と家族の退院後の食生活に関する不安要因の分析 P175~177
2) 井上富博:第33回成人看護_I_2002外来手術を受ける患者への術前オリエンテーションの有効性 P57~59

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© 2007 一般社団法人 日本農村医学会
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