日本農村医学会学術総会抄録集
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第57回日本農村医学会学術総会
セッションID: workshop4-1
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ワークショップ4
地域中核病院における不整脈非薬物治療の取り組み
藤本 学打越 学木山 勝桶家 一恭山本 正和
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抄録

当院の所在する富山県は県のほぼ中央に位置する呉羽町を境に、西を呉西、東を呉東と呼び、それぞれの地域の救急医療に関しては、呉西地区は厚生連高岡病院を、呉東地区は富山県立中央病院を3次救急の指定病院として各地区の救急体制が構築されています。当然、循環器疾患をはじめとする救急治療が必要なケースは両病院に集中して来ました。急性心筋梗塞や心不全などは以前より1年と通して24時間体制での対応がとられておりました。しかし、不整脈治療に関しては、4年前までは、アブレーションやICDなどの植え込みに関しては、他病院に依存していました。地方ではありますが、3次救急を担う病院としては、是非、必要とする分野であること、および、ICDの施設基準(主に手術症例数に関してですが)の緩和や、心臓電気生理検査の機器の更新により、3年前よりアブレーション治療を、2年前よりICD植え込み術を始めました。ICDは平成19年1月より開始しましたが、平成19年にはCRTDを含めて12台の植え込みを行いました。アブレーションに関しては平成17年より開始し、平成19年には67例であり、心房細動症例も徐々に増加しています。広く、北陸地方(福井県、石川県、富山県)におけるアブレーションの現状に目を向けると、平成19年度では福井県186例(Af50例)、石川県318例(Af76例)、富山県207例(Af32例)のアブレーションが行われています。各県の人口1万人あたりの治療件数は、福井県2.28人、石川県2.71人、富山県1.87人です。昨今のアブレーション対象例のなかで心房細動例の占める割合を考えると、今後、更に増加していくことが予想されます。ただし、富山県下においても、当院でのアブレーションやICD植え込みなどの不整脈治療は富山県立病院や富山大学病院に比較して知られておらず、広報誌や開業医との勉強会を通しての、紹介を始めています。

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© 2008 一般社団法人 日本農村医学会
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