日本農村医学会学術総会抄録集
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第58回日本農村医学会学術総会
セッションID: 24-16
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マナーブックを活用した多職種接遇研修の取り組み
嘉屋 祥昭
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抄録

〈はじめに〉病院を取り巻く情勢は,マイナス要因につな がる多くの状況下にある。コンプライアンスに抵触する事 案,セクハラ,パワハラ等不祥事はメディアを通じて広が り,また病院・医師のランク等も一方的に報じられてい る。このように周辺環境がめまぐるしく変化する中,組合 員・地域住民の要望に応えるためにも厚生連4病院(尾 道・吉田・広島・府中)に働く全職員が仕事の基本やマ ナーを身に付けて,一層の信頼を高めなければならない。 患者や家族が何に不満を抱くのかを検証するのではな く,私たちは何を期待されているのかという観点からもう 一度自院・所属職場の接遇を見直す必要がある。広島県厚 生連人事部教育課を中心に,4病院教育担当看護副部長と 共に作成したマナーガイドブックを活用しながら接遇指導 者を育成し,委託職員を含め多職種を対象とする接遇教育 に取り組み成果が得られたので報告する。
〈マナーガイドブックのねらい〉
・4病院の対応の違いや手法の違いをなくし,マナーのレ ベルアップに努める。
・職場の実情に精通した職員が職場の仲間としてマナーを 直接指導することでよりきめ細かなマナーが定着する。 そのためにも組織内に「質の高い指導・論評」ができる 人材を広く育てていくことが必要である。
〈接遇指導者養成〉まず各病院より各々の職種から指導者 として活動できる人材を選出し,現状と課題を持ち寄っ た。次にどのように自院で接遇研修に取り組むかをビジョ ンとゴールを設定し,講義やグループワーク・ロールプレ イ等をしながら指導者養成に取り組んだ。 終了後は認定証を発行し,接遇指導者としての意識付け とした。現在接遇指導者を28名養成した段階である。
〈厚生連4病院での成果〉接遇指導者はこの研修の必要性 を説き,ガイドブックを使用し,ロールプレイを取り入れ 各病院で研修を実施した。参加者は多職種(医師・研修 医・薬剤師・放射線技師・理学療法士・事務・委託業者 等)であり,職種間の理解も深まり,協力しながら自部署 で自ら実践者として活動できると評価している。
〈これからの取り組み〉・ロールプレイ事例集の作成 ・広島県厚生連として接遇指導者100名を養成する ・マナーブック活用の拡大(抄読会など) ・患者満足度調査と患者さまの声を用いた評価

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© 2009 一般社団法人 日本農村医学会
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