日本農村医学会学術総会抄録集
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第58回日本農村医学会学術総会
セッションID: 25-05
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職場適応を支援する教育研修の構築
児玉 園子金 ひとみ山本 亜矢子松橋 美結希川村 和賀子加賀美 忍佐藤 やよい
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キーワード: 新人教育, 職場適応
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抄録

〈目的〉医療現場は,非常にストレスの高い環境にあり, 新人は適応に苦労している。当院では,平成18年度・19年 度ともに1名の新規採用看護職員(以下,新人とする)が 離職している。これまで,基本的看護技術習得の為に,入 職前技術研修や毎月の集合研修を企画,実施してきた。平 成20年度は,更に職場適応を支援することを目的に,新人 の年間教育計画を見直した。その結果,新人をサポートす るための研修のあり方の示唆を得たので報告する。
〈対象〉平成20年度新規採用看護職員22名。
〈方法〉2・4ヶ月目にグループワーク形式の振り返り研 修を導入。2・4・6ヶ月目にアンケート調査を行った。 振り返り研修やアンケートで得られた新人の情報を,プリ セプターや所属部署,教育委員へ提供した。
〈結果・考察〉振り返り研修やアンケート調査により,新 人の悩みや不安,職場適応状況などを知ることができた。 入職後6ヶ月間の新人は,様々な不安や悩みを抱いてお り,この時期の十分なサポートが必要であることが分かっ た。振り返り研修の導入は,同期の仲間と気持ちを表出し 合い不安を軽減する場になった。研修やアンケート調査で 得られた情報を,プリセプターや所属部署,教育委員へ提 供することで,看護部全体で新人を把握することができ た。新人の職場適応状況や望む支援を速やかに現場に フィードバックすることで,各サポート体制は強化され, 新人の満足度は高まった。結果,入職後12ヶ月経過した時 点で離職者はなく,職場適応の支援に効果があった。
〈結論〉振り返り研修の導入と,職場適応状況や望む支援 を現場にフィードバックすることは,新人の職場適応の支 援に有効である。

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© 2009 一般社団法人 日本農村医学会
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