族に対し,多くの職種との連携によって医療・看護サービ
スを提供するため,ストレスの多い職場であるといわれて
いる。当院においても,2006年度より病院職員のための心
の健康相談窓口,『友の部屋』を設けて職員のメンタルヘ
ルスケアに取り組んできた。今回はその活動内容を紹介す
る。
『友の部屋』は,看護部組織から発足し,発足当初は看
護職への教育サポートとメンタルサポート双方の役割を兼
ねたものであった。経験豊かな看護師が,主に新入職看護
師の技術教育や臨床現場への適応をサポートする活動を
行っていた。しかし忙しい臨床現場に適応できず深刻に悩
んでいたり,多くの専門職の中で複雑な人間関係に悩んで
いる人も少なくなく,一看護職が教育サポートとメンタル
サポートの双方を実施することは,負担が大きく困難な状
況が見られてきた。また単に相談やサポートのレベルでは
対応できず,専門機関への受診につなげなければならない
事例もあり,メンタル相談に応じるシステムの構築の必要
性が高まっていった。
2006年からは看護師で産業カウンセラーの資格をもつ専
任の相談員を配置し,2008年に助産師の資格をもつ相談
員,さらには臨床心理士を配置し,3人で相談業務を行っ
ている。
『友の部屋』では,看護職のみでなく全病院職員が,「仕
事に疲れた」,「人間関係がうまくいかない」,「相談したい
が職場の上司や同僚には話しににくい」,など悩みを抱え
ている時に,いつでも気軽に相談できるような体制を整え
てきた。相談員が職場訪問をして個別相談や,間接的な相
談に応じたり,希望者には継続的な個別相談を実施し,必
要児には専門機関を紹介することも行い,相談者がより安
定し状態で継続して勤務が出来るようにサポートしてい
る。また月に1回は3人でカンファレンスを行い,必要な
情報交換や状況報告を行っている。
今後は職種の違う3人の特徴を活かし,連携を図りなが
らさまざまな相談に応じていけるようにしていきたいと考
えている。