日本農村医学会学術総会抄録集
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第58回日本農村医学会学術総会
セッションID: P1-A104
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カンガルーケアが及ぼす父親の対児感情の変化
-パパカンガルーケアを導入して-
磯 律子
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抄録

〈はじめに〉近年母子の早期スキンシップを図り,愛着形
成を促進する目的で,母親にカンガルーケアを行っている
施設が多い。NICU ではパパカンガルーケアを行っている
施設も多い。しかし産科では出生直後におけるパパカンガ
ルーケアの研究が少ない。川島は「親へのカンガルーケア
は,児を早期にわが子として実感でき,父性意識を高める
ケアのひとつである。」と指摘している。
そこで今回,パパカンガルーケアを行い,カンガルーケ
ア実施前後に父親へ対児感情評定尺度(花沢氏の対児感情
評定尺度)アンケートを実施し,父性意識の変化が立証で
きるのではないかと考えた。

〈研究目的〉母親のカンガルーケア後に父親にもカンガ
ルーケアを行うことで,父親に及ぼす対児感情の変化を明
らかにする。

〈研究対象〉平成20年7~9月に当院でアブガールスコア
8点以上の正期産児の父親,パパカンガルーケアを実施し
た25例と実施していない25例(以下対象群,非対象群とす
る)。

〈研究方法〉
1)対象群,非対象群25例と対象に,分娩前後に花沢氏の
対児感情評定尺度とアンケートを実施(7~9月)。
2)分析方法は表計算ソフトエクセルを用いてT 検定し,
感想のアンケート集計を実施。

〈結論〉カンガルーケアをやりたいと希望する父親が76%
と大半であった。アンケートより,小さな身体で命があ
り,暖かさを感じた(8名)という感想が一番多く,父親
になった自覚を感じている。パパカンガルーケアは子ども
との早期接触であり,沐浴などの直接触れる育児行動への
自信につながった。
分娩前後の対児感情評定尺度は,得点差が上昇したこと
により,父親が子どもを肯定的に受け入れ,愛着形成を促
す手段となった。
パパカンガルーケアは育児に意欲的に関わるきっかけと
なり,夫婦で育児を協力して行うことにより,夫婦の絆が
深められる。

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© 2009 一般社団法人 日本農村医学会
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