小児に対する薬物療法では,服薬コンプライアンスが回
復への重要な鍵となる。
確実に内服してこそ効果が発揮される。
粉薬(ドライシロップ・顆粒・細粒・粉末)の内服が困
難な場合,剤型または色や味などが選択の問題となること
が多い。
小児科外来では,必要に応じて,また小児の嗜好に対応
しながら医師が薬を選択している。
しかし,実際には57%の小児が服薬拒否あるいは服薬困
難を示し,家族も対処方法がわからず治療の経過を長引か
せているケースが少なくない。そして,それは服薬コンプ
ライアンスの低下に繋がることが懸念される。
そこで,私たちは粉薬が服薬出来ない小児に対し原因を
追究し,その対策を考案することで小児と家族の服薬に対
する負担を軽減し,疾病の早期治癒をサポートしたいと考
え,アンケートによる現状把握と粉薬の混ぜ合わせに対す
る味の検証をおこなった。
その結果,粉薬を飲みやすくする方法を家族に情報提供
することで,89%の家族に小児の服薬コンプライアンスの
向上に効果が得られた。