日本農村医学会学術総会抄録集
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第58回日本農村医学会学術総会
セッションID: P1-A110
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腹筋運動による便秘改善
円谷 由美枝藤元 悦男滝川 ハルイ早津 美奈子
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キーワード: 便秘
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抄録

〈はじめに〉精神疾患患者は便秘を合併している事が多
く,殆どの患者が定期的に下剤を使用している。その原因
として向精神薬の服用,長期入院による意欲低下や行動制
限に伴う運動量の低下等が挙げられる。この研究でも,便
秘により下剤を服用している患者が多い。中にはそれでも
便秘を訴え相当量の下剤の追加,更には座薬・浣腸の使用
を余儀なくされている。一般的に便秘改善には,食物繊
維・水分・脂肪の摂取,十分な運動・排便時間が有効であ
ると言われている。その中で十分な運動(軽い腹筋やスト
レッチでも効果がある)に着目し,向精神薬服用患者の便
秘に対し腹筋運動が有効であることを検証したので報告す
る。
〈研究目的〉向精神薬服用患者の便秘に対し腹筋運動が有
効であるかを検証する。
〈研究方法〉下剤を含む定期処方に追加下剤を使用してい
る患者で,研究の主旨を理解し,質問に受け答えができ,
文書にて研究の同意が得られる腹筋運動が可能な7名を対
象に,平日の午前,午後に,爪先のぞき腹筋運動を行っ
た。実施前後,追加下剤の使用状況を集計,日本語版便秘
尺度表をもとに排便状態を評価し,比較・分析する。
〈倫理的配慮〉研究の主旨について,又,腹筋運動は治
療.看護において悪影響することはないこと,いつでも中
断できることを書面と口頭で説明し同意を得た。
〈結果・考察〉期間中の実施回数は163回で,対象者7名
の平均参加率は85.9%であった。5点以上の高得点者を便
秘傾向があると判断する日本語版便秘尺度表での評価点数
の結果,実施前平均5.5点から4ヵ月後平均1.57点とな
り,追加下剤の量は,全ての患者が減量できた。このこと
から,向精神薬服用患者も腹筋を鍛えることで排便時に必
要とされる腹圧が掛けられるようになり,また,腸が刺激
され蠕動運動が増し排便に有利な状態になったと推測され
る。
〈まとめ〉向精神薬服用患者の便秘に対し腹筋運動が有効
であったと言える。

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© 2009 一般社団法人 日本農村医学会
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