日本農村医学会学術総会抄録集
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第58回日本農村医学会学術総会
セッションID: WS4-4
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ガイドワイヤーを用いたバルーンタイプ胃瘻カテーテル交換
矢野 貴史龍 貴裕前澤 寧小野 弘二大野 隆
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抄録

当院における胃瘻カテーテル交換は,開始当時簡便に行
えると考えられたバルーンタイプ胃瘻カテーテル(BT カ
テ)を選択した。狙いは在宅では開業医に,また施設では
施設の医師に交換してもらうことで我々の負担を軽くする
ことであった。しかしながらカテーテル交換時の偶発症が
マスコミでクローズアップされ,胃瘻にアマチュアの医師
には敬遠されて,結局多くは我々が病院外来にて交換する
こととなってしまった。我々は確実に胃内腔にカテーテル
が挿入でき,その証拠を残し,かつ収益も上げることを目
標とした。方法は交換時に腹壁と胃壁の瘻孔が壊れないよ
うにするため,交換前のBT カテにガイドワイヤー
(GW)を挿入しカテーテルの軸(挿入角度)を意識しな
がらGW を胃内に残して抜去する。次に新しいBT カテ
を先ほどの軸を意識してGW に沿わせて挿入し(セルディ
ンガー法),その後ウログラフィン20mL と生理的食塩水
20mL を混ぜたものを交換したBT カテより注入して腹部
XP を撮る。ウログラフィンを使用するのは腹膜刺激性が
無いためで,たとえ腹腔内に誤挿入しても腹膜炎の危険が
減るからある。またXP 撮影は万が一の裁判に備えて確実
に胃内腔にBT カテが入っていることの証拠を残すためで
ある。さらにコストに関しては2008年3月まではBT カテ
交換では手技料も取れず材料の償還点数901点だが,この
方法を用いれば1,226点請求できた。現在2008年4月以降
は手技料200点が認められたがBT カテの償還点数が下が
り874点となりトータル1,074点となっている。さらにBT
カテで推奨される1ヶ月に一度交換するとやはり忙しいの
で3~4ヶ月で交換している。この方法で現在約60人の患
者に対して対応しているが,特別問題は生じておらず,現
在まで偶発症の発生はない。しかしながら交換の煩雑さよ
り,最近ではGW 有りのバンパータイプに移行してきている。

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© 2009 一般社団法人 日本農村医学会
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