日本農村医学会学術総会抄録集
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第58回日本農村医学会学術総会
セッションID: WS5-3
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緩和ケアのあるべき姿
-地域連携も含めて-
千田 明子柏木 浩暢
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キーワード: 緩和ケア
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抄録

〈はじめに〉2002年緩和ケア診療加算の新設を機に,わが
国の緩和ケアチームの活動は本格的に始まり,全国の緩和
ケアチームの量的拡充は図られてきた。しかし活動の質は
現在も大きな課題になっている。当院緩和ケアチームは発
足して2年でコンサルテーション型のチーム医療を構築中
である。将来的に緩和ケア病棟を作っていく構想もあり,
今考える当院緩和ケアチームの課題と展望を述べる。
〈緩和ケアチーム活動〉
1)現状
緩和ケアチームのラウンドは1回/週行っているが緩和
ケア認定看護師のみのラウンドになりがちでチームとして
機能していない。しかし疼痛コントロールが困難な症例の
ケア,リンパ浮腫のケア等改善した例も多い。また,終末
期患者のリハビリテーション介入も数例あった。多職種の
介入の必要性が明確に評価されず,限られた職種(医師,
看護師,薬剤師)の介入にとどまる傾向があるので今後の
課題である。
2)取り組み
_丸1_多職種チームでのラウンド方法
_丸2_緩和ケア委員会主催の勉強会計画
_丸3_体制の整備(委員会活動等)
3)展望
_丸1_多職種が1人の患者さんを支える本来のチーム医療の実
現を目標にしていく。緩和ケア病棟もビジョンに入れる
と,将来的にソフト面の充実がさらに要求されるので,
実践をしながら人材育成につなげていきたい。
_丸2_困難な症例も当院だけでなく地域の緩和ケアに携わる医
療者と情報交換し,より良い疼痛緩和,症状コントロー
ルを行っていきたい。
_丸3_現在在宅に移行する際の調整を行っているが,将来的に
は地域の先生や訪問看護師と在宅移行システムを構築し
ていきたい。
〈まとめ〉当院の緩和ケアチームの課題は活動状況を明確
にし,院内で活用しやすくすることである。そのために効
果的なラウンド,知識,技術の向上,チームとしての体制
の整備が必要である。そして院内でのチーム医療の構築を
充実させ,将来的には地域へ拡げていきたい。

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© 2009 一般社団法人 日本農村医学会
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