日本農村医学会学術総会抄録集
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第58回日本農村医学会学術総会
セッションID: 12-05
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当院における緩和ケアチーム活動と今後の課題
中野 詩朗高橋 昌宏菅原 かおり
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抄録

〈はじめに〉当院は北海道のほぼ中央,上川中部にある病
床数539の地域がん診療拠点病院である。平成17年12月に
チームを発足し入院患者を対象とした活動を開始し,平成
20年度より専従医師,認定看護師を中心に外来患者も対象
としている。現在のチーム構成は医師2名(専従の麻酔科
医1名,外科医1名),看護師2名(専任1名),訪問看護
師,薬剤師,理学療法士,栄養士,臨床心理士,MSW が
各1名である。緩和ケア病棟は持たず,コンサルテーショ
ンを受けた患者を入院,外来で診療している。各病棟には
リンクナースを配置し,介入を要する患者のひろいあげ,
主治医との連携,ケアの実践を行っている。週1回のチー
ム回診,カンファレンス,各職種による定期的な学習会を
施行している。院内の地域医療連携室,退院支援チーム,
市内,近郊の27の訪問看護ステーション,24の在宅療養支
援診療所と連携し希望患者の在宅療養,看取りをサポート
している。
〈介入実績〉平成17年から20年度までの介入患者数は7
名,8名,18名,90名と20年度に著明な増加を認めた。原
疾患は123名中,消化器癌が66名,診療科は外科が63名と
それぞれ過半数を超えたが,泌尿器科,耳鼻科,整形外
科,呼吸器科など内科系,外科系の各科からコンサルトを
受け介入した。平均介入日数は73.6日,患者の居住地は旭
川市内72名,近郊,遠隔地が51名と市外患者が41%を占め
た。平成20年度の介入患者90人中29人(32%)が経過中に
1度は緩和ケア外来を受診しており,その重要性が認識さ
れた。在宅療養支援診療所,訪問看護ステーションとの連
携により4名が在宅での看取りをうけた。平成20年度の退
院支援チームの支援総数は288件で,癌患者はその55%を
占める。また緩和ケアチーム介入患者90名中33名(37%)
が退院支援を受けており,在宅,看取りへの重要なステッ
プである。
〈考察〉患者,家族の望む療養を支えるには,早期よりの
介入が重要である。希望の確認,利用可能な医療資源の調
整,在宅を目指す場合は退院前のカンファレンスの実施な
ど,チームが果たすべき責任は大きい。患者,家族は言う
までもなく,院内,地域医師に対する啓蒙も重要であり,
今後も定期的な活動が重要であると思われた。

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© 2009 一般社団法人 日本農村医学会
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