日本農村医学会学術総会抄録集
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第59回日本農村医学会学術総会
セッションID: P2-A1-4
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農村高齢者の農繁期と農閑期における健康状態の比較
臼田 誠前島 文夫中澤 あけみ柳澤 和也一本槍 七恵倉根 大和川井 淳武林 亨西垣 良夫夏川 周介
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抄録

<目的>
農村高齢者の農繁期と農閑期における各種検査データ、身体活動量、気分等を調査し、健康支援を行う上で考慮すべき時期による課題があるかどうかを検討する。
<方法>
長野県の高原野菜生産地2村在住の高齢者(男性86人、女性117人)を対象として、農繁期(10~11月)と農閑期(2月)それぞれに身体計測、血液検査、身体活動量、骨量検査、気分調査(POMS)等を実施し、農作業の有無で比較検討した。身体活動量測定には1軸加速度センサー内蔵活動計を用い、被測定者には作業内容把握のため行動記録用紙に記載をお願いした。骨量は超音波法で測定し、踵骨の音響的骨評価値を指標とした。
<結果>
農作業有りの男性および女性では農閑期で体重増加とHDLコレステロール低下が認められた(体重増加:男性、女性それぞれ平均値で1.2kg、1.4kg; HDLコレステロール低下:男性、女性それぞれ平均値で3.1mg/dl、4.3mg/dl)が、農作業無しの男性と女性ではこのような変化は認められなかった。身体活動量は農作業有り無しにかかわらず、農閑期の方が農繁期よりも有意に少なかった。農繁期の農作業内容は多種多様に及び、特に収穫や出荷の関係が多く、作業時間も多かった。骨量検査では農作業有りの女性の音響的骨評価値が農閑期よりも農繁期が高かった。気分調査では農作業有り無しにかかわらず、農閑期に男性で疲労の点数が低下していた。
<結論>
農村高齢者の農繁期と農閑期で各種測定値を比較すると、農作業有りでは体重やHDLコレステロール、身体活動量などに有意な変動が認められたことから、両時期それぞれの状態に応じた健康支援の方法を検討する必要性が示唆された。今後さらに農繁期の中でも特に多忙な時期における実態や他の農作物生産での実態を把握していく必要がある。

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© 2010 一般社団法人 日本農村医学会
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