日本農村医学会学術総会抄録集
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第59回日本農村医学会学術総会
セッションID: W2-3
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特定保健指導の評価と今後の課題
~初年度における積極的支援の振り返り~
小森 有紀子田辺 敬子田中井 清美久保田 妙子岩崎 二郎
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抄録

【はじめに】平成20年4月より特定健診・特定保健指導が開始された。初年度における特定保健指導の実施状況を振り返り、支援の効果と今後の課題を検討した。
【研究方法】
研究期間:平成20年8月~平成22年5月
対象:平成20年8月~平成21年10月までに特定保健指導積極的支援を個別担当制で実施した37名中、6ヶ月後の最終評価を終了した27名。
方法:(1)プログラム実施状況より、プログラム継続率、体重・生活習慣改善状況を評価
。 (2)終了時アンケートにて、プログラムの満足度・感想・要望を調査。 (3)プログラム終了約1年後に体重・生活習慣について電話による聞き取り調査を実施。
倫理的配慮:個人が特定されないよう配慮。
【結果】(1)プログラム継続率73.0%、3_kg_以上の減量達成率63.0%、食生活改善率92.6%、運動習慣改善率77.8%であった。(2)終了時アンケートの回収率70.4%。「習慣にしていける・まあまあ続けていける」と79.0%が回答した。(3)プログラム終了約1年後の調査は92.6%に実施。56.0%が終了時点の体重を維持していたが、16%はプログラム終了時点から3_kg_以上増加していた。食生活は56.0%、運動習慣では64.0%が「意識した生活を継続している」と回答しているが、食生活で28.0%、運動習慣で24.0%が「意識しているが継続は難しい」と答えた。
【考察】個別担当制で行った6カ月間のプログラムは、参加者自身が生活習慣を振り返り、健康への意識を高めることができ、有効であったと考える。1年後の追跡調査で、減量維持の難しさが挙げられた。今後の課題として、減量達成率とプログラム終了後の減量維持率を高めるため、プログラム内容の工夫と、プログラム終了後の追跡が重要と考える。
【まとめ】個別担当制で行った特定保健指導は有効であった。

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© 2010 一般社団法人 日本農村医学会
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