【はじめに】
骨粗鬆症は女性に多く、閉経や加齢などにより骨密度は低下するといわれている。しかし、実際の検診データでは、65歳以上でも骨密度が増加している者がいる。今回、骨密度増加の要因についてドックのデータや運動・食事の問診内容と検討したのでここに報告する。
【対象・方法】
対象者は、平成21年度と16年度の両年に厚生連高岡健康管理センターで、施設健診とともに骨密度検診を行った女性409名。平成16年から21年の5年間で骨密度の「減少」群と、「不変又は増加」群の2群にわけ、健診データや問診内容を検討した。
骨密度測定はDTX200を使用し、DXA法にて前腕骨で測定。
【結果・考察】
年代別の5年前と比べ「不変又は増加」した者は、45歳未満は12名中6名(50.0%)、45歳~54歳は60名中12名(20.0%)、55歳~64歳は176名中12名(6.8%)、65歳以上は161名中15名(9.3%)であった。
骨粗鬆症治療中の者は、55歳~64歳で4名(2.3%)、65歳以上で11名(6.8%)であった。そのうち「不変又は増加」したのは55歳~64歳で1名、65歳以上で2名であった。
65歳以上について「不変又は増加」群は「減少」群に比べ、BMI・ヘモグロビン量が高値で、「20歳代と比較し10kg以上の体重増加」が「ある」と答えた者、「生きがいの有無」については「ある」と答えた者が多かった。
55歳~64歳について「不変又は増加」群は「減少」群に比べ、BMIが高値で「1日30分以上の運動を週2回以上する」と答えた者が多かった。
今後、さらに高齢者の骨密度増加要因について検討し、高齢者の骨折予防等につなげていきたいと考える。