日本農村医学会学術総会抄録集
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第59回日本農村医学会学術総会
セッションID: W2-4
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山梨県厚生連における、平成20年度の特定保健指導対象者の次年度の健診結果の変化
江口 夏美東谷 麻美河合 知恵美中村 知恵子佐野 貴子守屋 律子竹内 正人依田 芳起
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抄録

【目的】平成20年度の特定保健指導の対象者の、H20からH21の健診データの推移を報告し、特定保健指導の効果を検討する。
【対象】平成20年度、当センターの人間ドックおよび巡回健診で特定保健指導の実施を受託した12団体の受診者の内、特定保健指導の対象となり、翌年度にも特定健診を受診した1306名。
【方法】平成20年度の特定保健指導対象者を、特定保健指導の実施状況により、終了者(1007名)・中断者(178名)・未受診者(118名)に分類し、H20年度と、H21年度の健診データをそれぞれ比較した。
【結果】終了者では、体重・腹囲とも改善傾向にあった。中断者は、終了者に次いで改善傾向がみられた。未受診者では、腹囲データには改善が見られず、体重がわずかに減少するにとどまった。なお、中断者のうち、初回面談での中断者と、継続支援中の中断者とでは改善状況に差は見られなかった。終了者(督促終了者を除く)では、半年後評価からH21年度健診の間(継続支援が行われない間)に、体重・腹囲とも継続して改善がみられた。
H21年度にも、特定保健指導の対象者に該当した人は、終了者・中断者・未受診者であまり差は見られなかったが、H21年度の健診受診状況は、終了者は73.2%、中断者は60.5%、未受診者では56.7%だった。
【考察】H20→H21では、終了者>中断者>未受診者の順で、改善傾向に差がみられた。半年後評価を終了させることが、メタボリックシンドロームを減らすことに繋がるのではないか。中断者においては、継続支援期間の長短による改善状況の差は見られなかった。初回面談の影響が大きく、その後の継続支援の影響力は少ないことが推察された。リバウンドが予想された継続支援終了後から次年度健診間の体重・腹囲は、むしろ改善傾向であった。一方、未受診者と終了者では次年度の健診受診率に差がみられ、特定保健指導の実施状況が翌年の健診受診に影響していた。

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© 2010 一般社団法人 日本農村医学会
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