日本農村医学会学術総会抄録集
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第60回日本農村医学会学術総会
セッションID: 1D-2
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センチネルリンパ節生検により腋窩リンパ節郭清を省略できた男性乳房Paget病の1例
椎野 翔和田 真弘松田 睦史田中 俊道迫 裕之杉浦 功一池田 謙奥澤 星二郎林 雄一郎小倉 重人
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抄録

男性乳癌は全乳癌の1%以下であり,さらに男性乳房Paget病は全乳癌の約0.5%ときわめて稀な疾患である.また近年センチネルリンパ節生検が一般臨床に急速に普及してきた.今回われわれは男性乳房Paget病の症例に対して,センチネルリンパ節生検により腋窩リンパ節郭清を省略し得た症例を経験したので,若干の文献的考察を含めて報告する.
症例は77歳,男性.左乳頭および乳輪部の発赤,びらんを主訴に当院皮膚科を受診した.乳頭部の皮膚生検を施行したところ,乳房Paget病の診断にて当科を紹介受診された.理学所見上,左乳頭部ならびに乳輪部に発赤,びらんを認めた.腋窩リンパ節は触知しなかった.画像検査所見として乳腺超音波検査では左乳房E領域に大きさ8×7mm,境界がやや不明瞭な不整形の低エコー領域を認めた.以上より,臨床的に腋窩リンパ節転移陰性であることより,単純乳房切除+センチネルリンパ節生検(併用法)を選択した.手術所見ではセンチネルリンパ節生検で3個のセンチネルリンパ節を同定でき,いずれも転移陰性であったため腋窩リンパ節郭清を省略し得た.現在,術後補助療法は行わず経過観察中であるが,無再発生存中である.

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© 2011 一般社団法人 日本農村医学会
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