Cetuximab治療中患者に発症した、非定型的皮膚障害を経験した。症例1、42歳、男。術後化学療法するも腫瘍マーカー上昇ならびに肺転移の増悪のためCetuxikmab投与開始。その後、右下肢の発赤と腫脹、発熱が出現。蜂窩織炎の診断で入院となるも増悪し、壊死性筋膜炎を疑われた。症例2、55歳、女。直腸癌の多発転移あり、術後化学療法に抵抗性なためCetuximab投与開始。定型的皮疹治療のため当科外来通院中であったが、顔面の皮疹の増悪のため当科入院。最終的に顔面の非定型カンジダ症と診断。両患者とも偶発的に合併した皮膚障害と考えたが、基礎には現病治療による免疫抑制があり、ざ瘡や皮脂欠乏症などの定型疹のみならず想定外の皮膚障害が稀ながら合併する可能性につき注意が必要と思われた。