日本農村医学会学術総会抄録集
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第60回日本農村医学会学術総会
セッションID: 1E-17
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2型糖尿病患者における体重と血糖コントロールの関係
英 肇澳 親人南條 輝志男
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抄録

【はじめに】2型糖尿病患者のコントロールにおいては、体重管理が必須である。外来受診時の体重の増減により、摂取カロリーや運動による消費カロリーのバランスが推察でき、療養指導に生かすことができる。また、日常臨床において、減量によりHbA1c値が改善することは明かであるが、どの程度改善するかは興味深い。そこで、われわれはコントロールの比較的安定している2型糖尿病患者のうち、薬物療法の影響のない、食事療法のみの患者について、体重とHbA1c値の関連を検討した。
【対象および方法】国保日高総合病院第二内科通院中の2型糖尿病患者のうち、食事療法のみでコントロールされ、糖尿病に関する薬物療法を受けていない16名(男性10名、女性6名)において、1年間の体重とHbA1c値の変動について検討した。
【結果】食事療法のみで治療中の2型糖尿病患者16例において、体重とHbA1c値の変動がほぼ関連したものは4例、一部関連したものは4例、関連しなかったものは8例であった。また、変動が関連した症例では、BMI0.5あたりHbA1c値で約0.5%の低下を認めた。
【考察】今回の検討では、関連する症例では、BMI0.5(体重で約1kg)あたりHbA1c値で0.5%の低下を認めた。しかし、関連しない症例や同一症例でも関連する時期と関連しない時期を認めた。血糖コントロールには、体重以外にも、多数の因子が血糖コントロール状態に関与しているため、症例によりばらつきがあると考えられる。生活習慣病である糖尿病は、体重のみならず、生活習慣を全体的に改善することが基本であると考える。

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© 2011 一般社団法人 日本農村医学会
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