日本農村医学会学術総会抄録集
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第60回日本農村医学会学術総会
セッションID: 1G-5
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臨床検査部における感染対策の取り組みと現状評価
?機器清掃・手指衛生・防護用具チェックリストによる自己・他者評価?
茂木 佳之酒寄 祐子玉田 佐知子宮本 和典
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抄録

【はじめに】臨床検査部では感染予防対策として標準予防策を実施し、環境整備と知識の普及および定着化に取り組んでいる。今回、整備状況の実態調査と問題点の明確化を目的として、チェックリストを用いて機器清掃・手指衛生・予防用具使用状況の評価及び感染症委員会による院内ラウンドの結果をもとに検討したので報告する。
【期間・対象】平成21年4月~平成23年3月、臨床検査部職員59名。
【方法】機器清掃3項目、手指衛生24項目、予防用具32項目の自己・他者チェックリストを3段階評価し、また個人特定できないよう口頭同意を得た。
【結果】環境整備状況は、医療・一般蓋付きゴミ箱の設置、安全機能付き翼状針の導入、1患者1手袋1採血針ホルダー1駆血帯、手袋の見直し、液状から泡状手洗い洗剤へ変更、バリア・保湿成分含有皮膚保護クリームの導入、ペーパーホルダー等の設置、ポスター掲示等を行い、院内ラウンドをチェック機構と位置付け不備な点を改善して行った。標準予防策の勉強会参加率100%を目指し年4回行い、院内感染予防週間にはN95マスクフィットテストを行った。チェックリストによる評価は、機器清掃・手指衛生よりも予防用具の装着が良い成績を示し、平成21年度より22年度の方が良い結果を得た。
【考察】環境整備は、順次行われ充実した状況に成ってきている。チェックリストによる評価は、機器清掃・手指衛生を向上させる必要性が見られたが、前年度より良い評価となった事より、複数回の勉強会とチェックリストによる検査部内からの問題点抽出は有用であった。院内ラウンドによるフィードバックで改善策を検討し、また他部門とのリンクスタッフケア検討会で問題点の共有を行う事で、臨床検査部と感染症委員会の連携により感染予防の向上を図る体制を維持して行きたい。

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© 2011 一般社団法人 日本農村医学会
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