日本農村医学会学術総会抄録集
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第60回日本農村医学会学術総会
セッションID: 2B-16
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当院における看護師による摂食機能療法実施定着までの取り組み
郡 恵子吉川 育代伊藤 真理子宮原 千里三輪 加那子野村 昌代
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キーワード: 摂食機能療法, 意識改革
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抄録

【はじめに】我々は2007年秋より、摂食機能向上のために看護師(以下 NS) 1名、言語聴覚士(以下ST) 1名で摂食機能療法実施に向けた活動を開始したが、訓練実施がほとんどないままに立ち消えになっていた。2009年3月から訓練定着を目的にNS 5名、ST 1名の嚥下チームを設立。評価表を作成し勉強会を繰り返し行いNS全員が評価・プログラム立案・実施・再評価をすることとした。これにより訓練の実施が定着した。今回我々は、NSが意識改革をした理由を検討した。【方法】2009年3月までの取り組みを第1期、それ以降を第2期とし訓練が定着した要因をアンケート調査により検討した。項目は1)プログラムを比較してどちらが使いやすかったか、2)その理由は何か、3)訓練に対する意識変革があったか、4)その理由はなにか、を記載方式とした。【結果】アンケートは12名中11名から回収できた(1名は全回答が記載されておらず除外とした)。1)は7名が第2期プログラムの方が使用しやすいと回答。2)は評価項目が多岐にわたっており各患者の状態にあわせたプログラム設定が出来る、再評価を行う事により回復程度が確認でき次のプログラムをたてやすい、事前勉強会があり戸惑いが無かったなど。3)は11名より意識改革が得られたとあった。4)は実際の摂食時の観察視点が変わった、経時的に評価することで病状認識が変わった、嚥下チームの人数増加によりメンバーで支えあう事ができた、などであった。【おわりに】患者病状の詳細な分析の出来るプログラムを作成した事で患者に適切な訓練を行う事ができ、回復が患者や患者家族の喜びとなり我々の意欲も向上させる。勉強会を段階的に実施をしたことで苦手意識を持っていたNSも訓練を行えた。嚥下チームとして活動したため役割が明確化され責任感が増し、スタッフへの啓蒙が積極的になった。以上が訓練の充実の理由だったと考える。今後は他の機能障害にもさまざまなプログラム作成をしてゆきたい。

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© 2011 一般社団法人 日本農村医学会
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