日本農村医学会学術総会抄録集
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第60回日本農村医学会学術総会
セッションID: 2F-4
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訪問リハビリテーションの満足度調査について
過去のデータ比較よりみえたこと
林 伸幸熊崎 誠藤田 綾乃日下部 一鉄黒木 浩幸
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抄録

【はじめに】利用者様のニーズや真の声に耳を傾けることにより、より良い訪問サービスを提供する事につながると考えた。利用者総数のうち意思表示できる方に対してアンケート調査をした。満足度・要望等をデータ分析して課題を抽出し、再度アンケート調査を行い比較検討した。継続調査より得たものを報告する。
【結果】調査は1回目(21年1月)が56件、2回目(21年5月)が58件、3回目(22年11月)が55件の回答を得た。訪問頻度の満足度と訪問時間に対する満足度で向上がみられた。訪問の訓練・指導に関する満足度ではやや不満の意見が3人から減少した。訪問リハスタッフに相談したいことは1回目では自主トレと病気に関することが一番多く、2回目では福祉用具、3回目では住宅・福祉用具に関することが多かった。接遇応対に関する内容は著明な数値の変化はなかった。訪問リハビリ導入後生活上現れた変化については、歩行と立ち上がり動作に効果を感じている者が全体を通じて多かった。訪問に対する総合的な満足度については平均点を見ると1回目は7.48で2回目では7.67で、3回目では7.65であった。
【考察・まとめ】訪問頻度や訪問時間・訪問指導の内容で満足度向上が見られたのは訪問頻度増加の働きかけと平成21年4月の介護報酬改定による訓練時間の増加が原因と考えられる。訪問スタッフに相談したいことは多岐にわたり傾向は掴めず、幅広い領域に対して対応できる能力が必要と考えられる。総合満足度の平均点は容易に上がらず7.5点台以上を継続して出すことが必要と感じた。今回得られた貴重な経験をもとに、より一層充実した訪問サービスを提供していきたい。

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© 2011 一般社団法人 日本農村医学会
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