日本農村医学会学術総会抄録集
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第60回日本農村医学会学術総会
セッションID: 2G-6
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起床検知型離床センサーの製作
澁谷 秀幸
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キーワード: 離床センサー
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抄録

1.はじめに
臨床工学科において、離床センサーの製作・運用を開始してから4年経過している。現在、問題点として、起床検知型離床センサーである洗濯バサミ型離床センサーについては、センサーの性能を認知される報告が多数挙がっている。研究途中ではあるが、起床検知型離床センサーの開発について、若干の考察を加え報告する。
2.対象及び方法
患者家族許諾のもと、洗濯バサミ型離床センサー装着患者8名及びマットセンサー対応患者3名に対し、ベッド上での行動について、計1780時間(1人あたり7日~21日)、WEBカメラにて観察・録画を行い、離床センサーの有効性の評価及びベッド上の離床行動パターンを分析した。離床センサーの有効性については正報率、誤報率、失報率で評価した。
3.離床センサー有効性評価結果及び離床行動解析
評価期間中、洗濯バサミ型離床センサー対応患者8名のうち、6名はベッド上での離床行動が観られた。6名の患者の正報率、誤報率、失報率の平均値は正報率38.2%、誤報率30.4%、失報率31.4%であった。又、ベッド上での離床行動パターンを表1に示した。ベッド上での離床行動について、『起床』、『ベッド柵を握る』、『足を出す』、『端座位』の4つの行動が重要であることがわかった。
4.新しいセンサーの開発
得られた離床行動パターンを基に何種類かの起床検知型離床センサーを製作したが、市販のベッドセンサーのセンシング機能が重要であることが確認できた。市販のベッドセンサーは高価であり、院内製作を行った。東京センサのマットセンサー(販売名:離床センサ)とPICマイコン(12F629)を利用し、反応時間を調整した(図2)。製作コストは17000円であった。
5.考察
院内ボランティアスタッフによる試験運用の結果、良好な結果を得ることができた。市販とほぼ同等な機能を持つセンサーを安価に製作することができた。

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© 2011 一般社団法人 日本農村医学会
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