日本農村医学会学術総会抄録集
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第60回日本農村医学会学術総会
セッションID: 2G-9
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救急外来における二交替制導入前後の看護師のストレス変化
中西 真由美桑原 淳子柘植 康子
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キーワード: 看護師, ストレス, 二交替制
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抄録

〈緒言〉救急部門を保有しない多くの市中病院では、救急外来を当直制や院内待機制で担当している。A病院でも外来看護師が日・当直制で二次救急を担い、長時間でストレスフルな勤務を実施し、過去の調査でもバーンアウト傾向が見られた。そこで二交替制を導入しストレス緩和に繋がったかを追跡調査した。〈BR〉〈研究方法〉対象者:救急外来を担当する看護職員42~44名。H23年10月~二交替制を導入し、導入前の9月と3ヶ月後、6ヶ月後に調査。Pinesのバーンアウトスケールと独自で作成したストレス要因調査票を用い、勤務の前後、救急・非救急日別等に分けSPSS15.0にて比較検討した。〈BR〉〈結果〉救急外来の受診状況は有意な変化はなかった。バーンアウトスケールは各勤務や勤務前後とも有意に低下し(p<0.05)、平均4点以上の「燃え尽き群」が減少した。ストレス要因は各回とも「緊急性の高い処置」「急患の重複」等が高値を示したが、いずれも低下傾向が見られた。〈BR〉また当初は日勤の人員減少を不安視する声があったが、スタッフ自ら協力体制を整え、夜勤の入りや明けを有効利用できると好評で、救急外来勤務の負担を理由とした退職が減少した。〈BR〉〈考察〉二交替制の導入によって、当直制より勤務時間が著明に短縮し各ストレスが低下した。疲労の度合いも軽減したためバーンアウト傾向も減少したと考えられる。慣れない救急外来勤務による緊張は持続しているが、勤務時間が短縮したことや勤務前後で休養が取れることによって精神的余裕が生じ、ストレス要因も減少したと考える。また勤務調整がしやすいと好評であり、主婦層の多い外来におけるワークライフバランスに有用である。しかし導入間もないため今後も継続した調査が必要である。〈BR〉 〈結語〉1.救急外来での二交替制導入によって看護師のストレスが低下した。〈BR〉2.二交替制による勤務調整は外来看護師のワークライフバランスに有用である。

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© 2011 一般社団法人 日本農村医学会
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