日本農村医学会学術総会抄録集
Online ISSN : 1880-1730
Print ISSN : 1880-1749
ISSN-L : 1880-1730
第60回日本農村医学会学術総会
セッションID: WS2-3
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放射線治療による医療連携
医療連携のためのマーケティングリサーチ
福原 昇須田 結花築島 正彦伊藤 和正長沼 敏彦笹本 孝広飯村 高行松本 好正細沢 なぎさ平林 文子
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抄録

【背景】当施設の放射線治療患者は02年までは15年間以上1日8名程度、年間100名程度であった。03年に放射線治療医が赴任し、04年には高性能放射線治療機器2台が稼動し現在では患者は年々増加し7倍以上となっている。【目的】当施設での放射線治療患者の変動を調査し放射線治療での医療連携につき検討したので報告する。【方法】02年から10年まで放射線治療を実施した患者を対象とした。患者数の推移を年度別、依頼元、患者居住地などに注目し検討を行った。必要な因子は追加調査した。【結果】全患者居住地を市内、隣接地域、周辺地域、遠隔地域に大別すると55%は市内在住であり、90%は市内と隣接地域の在住者であった。患者居住地は年々広がっていた。02年までは年間数名であった院外依頼は3年間で増加し05年以後は院外依頼と院内依頼がほぼ同数となっていた。院外依頼の多い上位10施設を放射線治療機器の有無で大別し年度別に依頼数を検討した。同10施設はいずれも市内と隣接地区に存在しており大部分は放射線治療設備の無い施設からの依頼であった。治療機器を保有する施設からの依頼は主として高精度放射線治療を目的とした依頼であった。他施設医師の離職と依頼元施設での治療機器の更新は依頼患者数に大きな影響を与えていた。【考察】増加した患者の半数以上は市内在住者であり、大部分は通院可能圏内の在住者であった。6週間程度の通院が必要な放射線治療では通院可能圏内からの受診数が多いことは理解できる。当地域での放射線治療患者数が7年間で7倍に増加したとは考えにくく、当地域に潜在的な需要があったためと考えられる。周辺地域での顧客の創造は放射線治療による医療連携においても重要である。顧客となる医療施設と患者のneedsやwantsなどを把握するとともにそれに適した医療を提供することが重要であり、内部環境および外部環境(他施設の状況)をも考慮した戦略が必要である。

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© 2011 一般社団法人 日本農村医学会
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