日本農村医学会学術総会抄録集
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第60回日本農村医学会学術総会
セッションID: WS2-5
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島根県における糖尿病管理の地域比較
糖尿病の地域連携管理の重要性
塩飽 邦憲濱野 強山崎 雅之武田 美輪子岩本 麻実子
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キーワード: 糖尿病, 地域差, 管理
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抄録

糖尿病や肥満について地域差を解析し,その原因となる要因を明らかにした上で,対策を立てることが重要であるため,島根コホートの対象者について地域,性年代別の解析を行った。
対象と方法 40歳以上の3840人(男性1649人,女性2191人)の糖尿病管理状況をHbA1c JDS値以上により比較した。
結果と考察 HbA1c6.1%または薬物治療中による有病率は,国民栄養調査等の全国平均よりも低かった。肥満と糖尿病との関連では,女性ではBMI18.5-22.9の正常者に比べて,やせBMI18.4以下が多く,またBMI増加につれて糖尿病は増加した。高齢者では,肥満と糖尿病の関連は明らかでなく,肥満によるインスリン抵抗による糖尿病よりも,やせでインスリン分泌不全が多いことがうかがえた。HbA1c 6.1%以上は男性で10%,女性は7%と性差が認められた。糖尿病の管理状況については,HbA1c 6.1%以上は60歳以上の高齢者に多かったが,60-74歳と75歳以上ではその割合は有意な差はなかった。HbA1c 7.1%以上の管理不良者は,男性に多く,特に40-59歳の壮年期に割合が多かった。管理不良者は治療中に多く,次いで生活指導で,診断なしには比較的少なかった。各管理区分とも、壮年に管理不良者が多かった。地域別のHbA1c分布では,治療中は隠岐の島町男女で多かったが,HbA1c7.1%以上の管理不良者は隠岐の島町には皆無であった。また,後期高齢者や国保の医療費も隠岐の島町は低く,糖尿病の管理がよいことが示唆された。したがって,1)医療機関における管理を強化するためにかかりつけ医の治療水準を高め,行政が患者の栄養・運動評価や管理を支援すること,2)壮年期の管理状況が悪いことから,産業医や健診機関と協力して壮年の糖尿病管理を強化することが重要と考えられる。

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© 2011 一般社団法人 日本農村医学会
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