日本農村医学会学術総会抄録集
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第60回日本農村医学会学術総会
セッションID: 1J-A-6
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外来通院糖尿病患者の健康行動に影響を及ぼす要因
吉田 和恵野口 むね子土田 美里
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キーワード: 糖尿病, 健康行動, 分析
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抄録

【目的】当院では、インスリン治療や内服治療を受けている糖尿病患者は、増加傾向にあり、現在約1800名に上っている。糖尿病治療には生活習慣の改善が不可欠であるが、川口(1996;2001)は、食事指導を受けた糖尿病患者の実行度を経時的に研究し、良好な食事療法を実行する者の割合が1か月後73%、3か月後57%、6か月後37%、1年後21%、2年後10%と減少したことを報告しており、糖尿病患者の看護において、患者自身が自己管理できるよう健康行動を支援する看護介入が不可欠である。本研究の目的は、糖尿病患者が食事療法や運動等の健康行動を実践するための看護介入の方法を検討するため、糖尿病患者の健康行動に影響を及ぼす要因を明らかにすることである。 【方法】 対象者は、当院外来通院中のHbA1cが6.5%以上の糖尿病患者、男性10名、女性7名の17名。調査期間は、2010年11月~2011年3月で、質的記述的研究の手法を用いて実施した。半構成的面接法により得られたデータから逐語録を作成し、健康行動に関する患者の気持ちや考えの記述部分を1つの意味内容として抜粋した。抜き出した各エピソードからコード化を行い、類似性と相違性に着目しながらカテゴリー化した。分析にあたっては、同様の研究手法の経験のある研究者のスーパーバイズを受けながら行った。研究にあたっては、対象者に、研究の趣旨、参加の自由意志と匿名性の保証、途中で辞退しても不利益を被らないことを口頭及び書面で説明し、書面で同意を得た。なお本研究は院内の倫理委員会の承認を得て実施した。その結果、患者の健康行動に影響を及ぼしているいくつかの要因が明らかとなった。

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© 2011 一般社団法人 日本農村医学会
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