日本農村医学会学術総会抄録集
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第60回日本農村医学会学術総会
セッションID: 1J-A-8
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地場野菜を使った料理教室の試み
杵淵 香純石井 洋子佐藤 作喜子柳田 奈央子大年 悠貴
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抄録

《目的》当院ではH17年より直接農家より野菜を納品してもらう地産地消の取り組みを行っている。その一環として地元野菜の消費拡大、健康の保持増進、食にまつわる生活習慣病予防の正しい理解を目的に行った健康料理教室について報告する。<BR>《方法および内容》一般人を対象に、院内ポスター・病院広報誌・市の広報・JA直売所のポスターにて募集を行った。場所はJAいせはら本所の調理実習室、開催日は日曜日の午前中とし、スタッフとして農家グループ、JA職員が参加した。農家グループには企画段階から参加してもらい、当日は各テーブルにつき指導をお願いした。調理実習のメニューは隣接する直売所にその時期販売される地元野菜、地元産B品トマトから作ったトマトピューレを使ったレシピ、摘果したみかんから作ったジュースを使ったレシピを盛り込んだ。調理実習、試食の後に、毎回テーマを変えて管理栄養士が40分程度の講座を行なった。講座の内容はアンケート調査より要望のあったものの中から、生活習慣病と食事・ダイエット・減塩・低GIなどを取り上げた。<BR>《結果》H22年1月より計5回実施、115名が参加した。行ったアンケート調査は回収率90%(104名)、作った料理がおいしかったが95%(99名)、家でも作ってみたいが99%(103名)、管理栄養士の話は興味深い内容だったが96%(100人)という結果が得られた。また、野菜の購入理由について、第一選択は地元野菜という回答が90%であった。<BR> 《考察・まとめ》参加者の95%が主婦であり、アンケートの回答から地産地消への高い意識が示唆された。JAの病院として、行政や学校の行う食育とは違った視点から食と医療についての啓蒙活動を行い、様々な年齢層、対象者へ参加を促し多くの人が楽しく参加できる場にしたいと考える。地元農家、JAとの連携をより深め、更なる魅力ある教室となるよう内容の充実を図っていきたい。

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© 2011 一般社団法人 日本農村医学会
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