日本農村医学会学術総会抄録集
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第60回日本農村医学会学術総会
セッションID: WS3-2
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感染症科のない地域基幹病院における院内感染への取り組み
村上 穣岡田 邦彦國枝 献治土屋 留美井出 京子杉山 昌秀駒村 祐治
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キーワード: カンジダ血症, 院内感染
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抄録

【背景】
当院は地域基幹病院であるが感染症科はなく、血液培養陽性症例への介入は行われていなかった。カンジダ血症を始めとする院内感染への対応も各科の担当医に委ねられており、必ずしも適正な診療が行われているとはいえなかった。そこで、医師(腎臓内科、胃腸科、救命救急センター所属)、看護師、臨床検査技師、薬剤師、事務職員によるカンジダ血症対策チームを結成し、カンジダ血症への組織的な治療介入を試みた。
【目的】
血液培養陽性のカンジダ血症症例に介入することで予後を改善することができるかどうか検討した。
【対象と方法】
2009年11月から2010年10月までの1年間に、14例がカンジダ血症と確定診断された。全例にカンジダ血症対策チームが介入し、院内ガイドラインに基づいた治療を実践した。チーム介入後の予後を介入前(2004年から2008年)のカンジダ血症43例の予後と比較検討した。
【結果】
抗真菌剤の投与率は介入前の77%(33/43例)から介入後は100%(14/14例)に、中心静脈カテーテルの抜去率は68%(23/34例)から82%(9/11例)にそれぞれ上昇した。30日後の死亡率は33%(14/43例)から14%(2/14例)に低下した。眼科紹介率は介入前の42%(18/43例)から介入後は93%(13/14例)に上昇し、眼内炎の合併率は39%(7/18例)から23%(3/13例)に低下した。
【考察】
感染症科のない当院においてもカンジダ血症症例に組織的に介入することで予後の改善を認めた。チームの活動が奏功した要因として、カンジダ血症を合併しやすい診療科の医師および多職種がチームに参加し、院内全体で取り組んだことが考えられた。
【結語】
感染症科のない地域基幹病院においてもカンジダ血症を始めとする院内感染に対して適正な診療が行える体制を定着させてゆく必要がある。

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© 2011 一般社団法人 日本農村医学会
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