日本農村医学会学術総会抄録集
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第60回日本農村医学会学術総会
セッションID: 1J-B-8
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当院小児リハビリテーションにおける地域連携の取り組み
田垣 敦朗正山 薫後藤 英子枇杷田 奈七桒田 由貴岡村 秀人鈴木 清寺倉 篤司
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抄録

<はじめに>
近年、発達障がい児へのリハビリの要望が高まる一方で、小児専門施設の受け入れが困難な傾向があり、当院でも2009年度4月より本格的な受け入れ体制を整え、小児リハビリテーション(以下、小児リハ)を開始し2年が経過した。発達障がい児の支援は一機関のみで行われるものではなく、教育・医療・保険・福祉等の複数機関が相互に連携し行われている。そのため子ども一人ひとりの発達支援に対して同時に多くの支援者が関わることとなり、今後更なる詳細な関係機関の連携及び情報交換が必要不可欠になると考えている。
小児リハ開設後2年が経過するなかで、当院と関係諸機関との連携が構築されつつあり、今回ここに当院における活動の現状と今後の課題について報告する。
<取り組み>
2009年5月から2011年5月までの2年間の活動内容として、1,年間5回のケース検討会参加(教育、医療、保健、福祉従事者などで構成)、2,児童デイサービスへの訪問及び講義、3,県療育スタッフを招いての研修及びデモケース勉強会、4,特別支援学校教諭や学級担任の当院への訪問、5,主治医兼処方医である児童精神科医師との定期カンファレンス開始、6,保護者交流会を行った。
<今後の課題>
このように地域連携を重ね関係機関との繋がりが増え、子どもに対しての支援体制ができつつあるが、子どもの発達段階において次々に湧き上がってくる尽きない問題に対し、保護者の小児リハへの依存度が増々高まり、小児リハ終了へ向かいにくい状況がある。また子どもが就学して療育機関での指導が終了すると同時に相談機関が教育や医療機関に限定されてしまうという点や、小児リハ介入時にリハビリの目的を明確化して保護者と情報を共有し理解する事が曖昧になり易い点が考えられる。今後、小児リハ介入時にリハビリの目的を明確化し、保護者が子どもに対しての理解を高めた上で実施していく事が重要であると考える。

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© 2011 一般社団法人 日本農村医学会
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