日本農村医学会学術総会抄録集
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第60回日本農村医学会学術総会
セッションID: 1J-B-19
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当院における照射赤血球濃厚液廃棄状況と改善に向けての取り組み
石井 健司蒲澤 康晃青山 知絵美山田 滝彦
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キーワード: 血液製剤廃棄率
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抄録

≪はじめに≫
当院は総ベッド数323床、平成21年に地域災害医療センターにもなっている稲沢市の総合病院であります。 当検査室にて扱っている血液製剤は、照射赤血球濃厚液(以下RCC)、新鮮凍結血漿(以下FFP)、照射濃厚血小板(以下PC)の3種類で年間の血液製剤使用量はRCC 約956単位、FFP 約129単位、PC約345単位である。今回血液製剤を有効利用するには血液製剤の廃棄血削減が重要であると考え、当院におけるRCCの廃棄現状と廃棄削減への改善策を検討してみる事とする。
≪対象≫
平成22年4月から平成23年3月までの1年間の廃棄血となったRCCについて入庫数、廃棄単位数、廃棄率より検討する。
≪廃棄血削減への改善策の検討項目≫
1_適正在庫数の管理・・当院は常時全ての血液型(A、O、B、AB)に対して2単位分の在庫を確保している。対象期間の平均廃棄率は20.6%で中でもAB型の廃棄の約60%が入庫後期限切れという状況である。これに対してAB型の在庫確保の必要性も疑問であり診療側との検討を進める必要がある。
2_T&S導入・・手術準備血も使用されないケースも多く今後T&S導入も考え入庫から払い出しの時間短縮ができれば手術準備血依頼数の見直しが可能ではないかと考えられる。
3_出庫製剤管理・・輸血直前に検査側より製剤運搬、病棟管理を極力避ける。
4_使用確認・・輸血後の使用確認し未使用の場合は医師に確認し在庫に戻す。
5_医師へのアプローチ・・貧血状況から検査側が製剤使用可能かどうかのアプローチ。
6_輸血療法委員会・・廃棄血の状況、理由等を報告し病院全体の問題として扱う。
≪考察≫
診療側との壁は非常に厚く高いと考えるが、血液製剤を有効利用することは医療従事者の責務であり何よりも善意ある血液製剤を無にしない必要があり、今後も輸血療法委員会を中心として取り組んでいきたい。

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© 2011 一般社団法人 日本農村医学会
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