[目的]
近年、画像ワークステーションを用いて、冠動脈CTと心筋SPECTとの画像フュージョンが行われるようになってきました。
冠動脈CT上の冠動脈の支配領域と、心筋SPECTの心筋への集積状況とが画像フュージョンを行うことにより視覚的に分かりやすく表示され、診断上有用であると評価されてきています。
また当院では平成22年5月よりCT装置を64列CT(東芝アクイリオンCX)に更新して冠動脈CTを、また平成23年4月よりRI検査装置をSPECT-CT(シーメンスSINBIA T)に更新して検査を行っています。
今回、画像ワークステーション上で冠動脈CT画像と心筋SPECT画像とのフュージョン画像を作成するにあたって、その精度を検証すべく基礎的な検討を行いました。
[方法]
RI用心臓ファントム用いてタリウムによる心筋SPECTを撮影。同様に、RI用心臓ファントム用いて冠動脈CTを疑似的に撮影・再構成し、それぞれの撮影データをPACSサーバから画像ワークステーションに取得して、フュージョン画像を作成しました。
さらにフュージョン画像によるポーラーマップと心筋SPECT解析ソフト(ハートスコアビュー)によるポーラーマップとの比較を行いました。
[結果]
RI用心臓ファントムを用いた心筋SPECTのハートスコアビュー上のポーラーマップと、冠動脈CT画像とのフュージョン画像上のポーラーマップとの相関を客観的に確認することができ、ファントム上において精度が保たれていることが確認できました。