日本農村医学会学術総会抄録集
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第60回日本農村医学会学術総会
セッションID: WS3-7
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手術創部感染防止にTQM活動を取り入れて
中尾 紗織吉田 雅美熊澤 史織内藤 淳
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抄録

1、はじめに
 整形外科における術後感染率は0~15%と報告されている。SSI(手術部位感染)が発生すると入院期間の延長など不利益が生じる恐れがある。H21年4月~H22年3月に当病棟では術後MRSA 感染者数が18件発生した。病室に擦拭消毒剤を設置しているにも関わらず、1処置1消毒が徹底されていない現状があるのではないかと疑問に感じた。TQM活動による感染予防に対する啓蒙活動を通し擦式消毒を定着させることが出来たので、ここに報告する。
2、方法
 期間:H22年1月~H23年4月(手指衛生実施開始日:H22年6月~)
  ★_丸1_勉強会開催(対象者:医師、看護師、理学・作業療法士)と手指衛生に関するアンケート調査
  ★_丸2_手洗いと擦拭消毒剤のコスト比較
  ★_丸3_術後管理方法の見直し
  ★_丸4_患者や家族への感染予防指導の見直しと改善
3、結果
 H21年4月~H22年3月 手術741件 MRSA感染者数18件。H22年4月~H23年3月 手術710件 MRSA感染者数7件。前年度比較にて63%減。
 労力給含めた1回の石鹸手洗:40.15円、1プッシュの擦拭消毒:5.4円、34.75円のコスト削減につながった。
4、考察・結語
 手指消毒と料金の関係や、培地で細菌の繁殖状態を分りやすく伝える事で手指衛生の必要性を理解し感染予防に対する意識の向上が図れたと考える。またTQM活動で啓蒙を行った事で病院全体が擦式消毒剤を携帯使用する事ができた。
 擦拭消毒は除菌効果が個々でばらつかないといったメリットや1処置1手洗いという鉄則も容易である。その反面、効果の限界や手荒れ等の問題がある為、現場に即した対策を実施し継続していくかが今後の課題となる。

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© 2011 一般社団法人 日本農村医学会
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