日本農村医学会学術総会抄録集
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第60回日本農村医学会学術総会
セッションID: 2J-A-8
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中山間地域の高齢者生活実態調査
~ 高齢者が住み続けたい理由 ~
長谷川 支保遠山 勝也松井 優子加藤 奈津子奥村 昌志
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抄録

<はじめに>
 愛知県豊田市の三河中山間地域に位置する足助・旭地区は、近年高齢化が顕著であり、平成22年は高齢化率37%である。市街地に比べ交通手段が乏しく、買い物・通院等不便である。高齢者生活実態調査を通して、地域に住む高齢者が住み続ける理由はどこにあるのか、ヒアリング調査の結果を報告する。
<方法>
調査対象者:足助・旭地区に在住の足助病院通院患者で、独居・老々世帯・昼間独居となる高齢者100名(本人に趣旨を説明し、同意を頂いた)
調査期間:平成23年1月1日~平成23年1月31日
調査方法:自宅に調査員が訪問し、一人当たり2時間程度のヒアリング調査。
<結果>
1、「これからも今住んでいる所に住み続けたい」89%、「住み続けたくない」8%、「どちらともいえない」3%であった。
2、「住み続けたい」と思っている理由については、「家族・親戚以外の人間関係の繋がりが重要」が、最も多く18%である。続いて「生まれ育った所・住み慣れている」が、14%であった。「子・孫の人間関係の繋がりが重要」と答えた人は5%と少なかった。
<考察・まとめ>
 調査の結果は、「生まれ育った場所だから」「住み慣れているから」「この場所が好き」等という『郷土愛』より、『人間関係の繋がり』を重視する回答が上回った。特に人間関係の繋がりの中では、子供の存在より近隣・友人等の存在が重要という回答が多く占めていた。当地域の高齢者は、人と人との繋がりを大切にし、近隣が相互に助け合うコミュニティが地域にあるため、近隣・友人等の存在が大きいのではないかと考える。また、子供の存在を重視する回答が少なかったのは、高齢者自身の生活基盤が、地域で助けあう協同生活を行っているからと考える。諺にもある「遠くの親戚より、近くの他人」という状況もあるのだろう。 当地域高齢者が住み続けることができるように、当院は、何をしていく必要があるのか検討していく。

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© 2011 一般社団法人 日本農村医学会
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