日本農村医学会学術総会抄録集
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第60回日本農村医学会学術総会
セッションID: RKS2-11
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味覚障害を合併した急速進行性糸球体腎炎の1例
立石 優美子藤井  徹郎戸田  孝之松井  則明家坂  義人
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抄録

糖尿病で当科通院中の2007年より血尿,2008年より蛋白尿、軽度腎障害(シスタチンC 1.30 mg/dl), ANCA高値(MPO-ANCA 105U/ml) 、腎生検で壊死性半月体形成性腎炎を認め、ANCA関連腎炎と診断。外来でPSL15mgから開始、MPO-ANCA 30U/ml前後を推移したが,蛋白尿と血尿は継続し、腎機能悪化を認めた。2010年3月から味覚障害が出現、低亜鉛血症を認めポラブレジンクの長期投与を行ったが症状の改善はみられなかった。その後両肩の筋痛と下肢の筋力低下、摂食障害が出現し、2011年2月3日入院(CRP0.37mg/dl MPO-ANCA 41U/ml Cre6.7 mg/dl Zn 88 mg/L).ANCA関連腎炎による急速進行性糸球体腎炎に対し2月22日からステロイドパルス療法(mPSL500mg/日3日間)、後療法PSL45mgで開始、その後斬減した。CRP、ANCAは陰性化したが腎機能は改善せず、3月26日透析導入となった。味覚障害に対しては、ステロイド増量に加え、口腔内ケア、被疑薬の中止、強化インスリン療法による血糖コントロール、血中亜鉛濃度維持を行った。震災後口腔内衛生面悪化に伴い、舌への白苔付着・潰瘍形成がみられたがミコナゾール内服で改善した。濾紙テ゛ィスク法による味覚検査をステロイド治療前後で行い、左舌前方(鼓索神経支配域)で甘味:感知せず→4 ,塩味4→3 ,苦味:感知せず→5(1→5の順で試薬の濃度上昇)と若干改善、食事摂取良好となり4月24日退院。味覚障害を合併した急速進行性糸球体腎炎は比較的まれであり、文献的考察も踏まえ報告する。

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© 2011 一般社団法人 日本農村医学会
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