日本農村医学会学術総会抄録集
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第60回日本農村医学会学術総会
セッションID: RKS2-12
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遺伝性毛細血管拡張症に合併した肝性脳症の1例
中瀬 一真矢田 崇純原田 哲朗浦出 伸治別府 徹也直田 浩明山本 憲彦小林 一彦
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抄録

〈症例〉63歳男性 〈主訴〉見当識障害、羽ばたき振戦 〈家族歴〉母親が遺伝性毛細血管拡張症 〈生活歴〉焼酎1合/日を40年間 〈現病歴〉 普段より繰り返し鼻出血を認めていた。平成20年にアルコール性肝硬変による肝性脳症にて入院加療されている。 退院後は著変なく通院していたが、平成21年以降は来院しなくなり飲酒を続けていた。 平成23年2月、見当識障害と羽ばたき振戦を認めたため家族に連れられ当院受診し、精査加療目的に入院となった。 〈入院後経過〉 既往歴や飲酒歴、アンモニア・ヒアルロン酸高値より、入院当初はアルコール性肝硬変による肝性脳症を考え、禁酒および内服加療を行った。 内服加療によるコントロールを試みるもアンモニアの高値は持続。肝内評価のため腹部超音波・腹部造影CT施行したところ肝内にびまん性シャントを認めた。 繰り返す鼻出血・口腔粘膜の点状出血・動静脈異常・家族歴より、遺伝性毛細血管拡張症と診断した。 〈考察〉 本症例ではアルコール性肝硬変に遺伝性毛細血管拡張症が加わり肝性脳症のコントロールが困難となっていると考えた。 遺伝性毛細血管拡張症の肝血管病変の割合は74%と高率であるが多くは軽度であり、症候性のものはそのうち8%と少ない。 症状を呈した場合でも、肝動脈-肝静脈シャント・肝動脈-門脈シャントに由来する心不全や門脈圧亢進・胆嚢壊死が多く、肝性脳症の原因となる門脈-肝静脈シャントは少ないとされている。 〈結語〉 遺伝性毛細血管拡張症に合併した肝性脳症の1例を経験した。

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© 2011 一般社団法人 日本農村医学会
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