日本農村医学会学術総会抄録集
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第60回日本農村医学会学術総会
セッションID: RKS2-9
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糖尿病治療としてのDPP-4阻害剤、BOT治療の効果的な使い分け、および、BOT+DPP-4阻害剤の併用療法の有効性について
長縄 博和大河内 昌弘郷治 滋希岩間  糾勝野  哲也浅田 馨服部 孝平後藤 章友神谷 泰隆大野 恒夫
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抄録

従来の糖尿病治療薬で血糖コントロールが不良な患者に対してDPP-4阻害剤を使用することによって、血糖コントロールが、劇的に改善する症例が多く見られるようになっている。しかし、どのような患者に対して使用すると効果的であるのか、また、逆に、効果が期待できずに、どのような患者に対して、Basal supported oral therapy(BOT治療)を含めたインスリン治療を積極的に施行すべきかについての明確な治療予測因子についての報告は見られない。さらに、DPP-4阻害剤のどのような効果的な使い方があるのかについても明確にされていない。そこで、今回、我々は、DPP-4阻害剤を3カ月以上使用している2型糖尿病患者100名を対象とし、HbA1cが1%以上低下した群を著効群(50名)、HbA1cが1%未満の低下、あるいは悪化した群を反応不良群(50名)として、年齢、性別、BMI、DPP-4開始時のHbA1c、内因性インスリン分泌の指標であるC-peptide index (CPI)を調査し、治療予測因子となるかどうかを検討した。著効群、反応不良群の間で、年齢、性別、BMI、DPP-4開始時のHbA1cには有意差はなかったが、著効群では、CPIが0.5以上と高値であったのに対し、反応不良群では、0.5未満の低値例が多かった。つまり、DPP-4阻害剤の著効が期待できるには、内因性インスリン分泌がある程度保たれている必要があり、その指標としてCPIが有効と考えられた。また、CPIが低値の症例では、BOT治療を施行することにより、血糖コントロールの著明な改善が得られた。さらに、DPP-4阻害剤の効果的な使い方として、_丸1_first lineの治療薬として、_丸2_SU剤の2次無効例に対して、_丸3_他剤で効果不十分例に対しての切り替え、_丸4_他剤で副作用を認めた場合の切り替え、_丸5_食事の摂取量が不十分な高齢者、_丸6_軽度のステロイド糖尿病に対して、_丸7_腎機能が悪い場合の糖尿病治療薬としてなどの効果的な使い方が可能と考えられた。加えて、最後に、BOT+DPP-4阻害剤の併用療法が効果的であった症例を提示する。

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© 2011 一般社団法人 日本農村医学会
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