日本農村医学会学術総会抄録集
Online ISSN : 1880-1730
Print ISSN : 1880-1749
ISSN-L : 1880-1730
第60回日本農村医学会学術総会
セッションID: RKS3-14
会議情報

障がい児における胃瘻・腸瘻手術の適応
游 敬堀 哲夫渡辺 章充
著者情報
キーワード: 障がい児, 胃瘻, 腸瘻
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

【はじめに】最近経験した障がい児に対する胃瘻・腸瘻造設術症例に対し、その適応と術後管理上の問題点を検討する。 【対象と方法】2009年2月から2011年5月の間に、障がい児に対して胃瘻・腸瘻造設術を施行した症例は男児5例、女児6例で、1歳未満2例、1歳~10歳未満3例、10歳~31歳6例の計11例であった。原疾患は、重症新生児仮死による低酸素性脳症が3例、染色体異常に伴うものが3例、難治性てんかんによるものが3例、その他溺水による低酸素性脳症、先天性右顔面神経麻痺、新生児壊死性腸炎術後に肺高血圧症・精神運動発達遅滞を合併した嚥下困難が各1例であった。3例が気管切開術既往あり、うち2例が人工呼吸管理中であった。術前は上部消化管造影と24時間下部食道pHモニタリング検査を施行した。術前後の経過と管理上の問題点、造設術の適応などを診療録より検討した。手術は開腹術にて胃瘻・腸瘻造設術を施行した。 【結果】術式は胃瘻6例、腸瘻1例、胃瘻+腸瘻4例であった。手術の適応は、経鼻胃管管理で事故抜去や挿入困難なもの8例、嚥下困難があり、誤嚥や胃食道逆流による肺炎・気管支炎を反復している症例が3例であった。術後における管理上の問題点(対処法)は、胃瘻では術直後の軽度の不良肉芽1例(液体窒素凍結療法)、腸瘻ではチューブ閉塞1例(ベッドサイドで再挿入)、術後早期の事故抜去1例(再挿入不可能なため抜去)、呑気症による腸閉塞併発1例(イレウス解除術)であった。現在全例生存しており、いずれの症例も呼吸器症状の改善と順調な体重増加を認め入院・在宅管理が容易になった。 【考察】障がい児のチューブ栄養管理は主治医とともに小児外科医も重要な役割を担い、適切な胃瘻・腸瘻管理によって、患児と家族のストレス・リスクの軽減、栄養状態の改善が確認され胃瘻・腸瘻の有用性が示された。

著者関連情報
© 2011 一般社団法人 日本農村医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top