日本農村医学会学術総会抄録集
Online ISSN : 1880-1730
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ISSN-L : 1880-1730
第60回日本農村医学会学術総会
セッションID: 1B-15
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ロコモティブシンドローム予防教室における体力向上効果
継続した実践の重要性
天野 早紀日比 亜湖森 佳子坂口 身江子布谷 佳子築山 こずえ片山 香菜子稲垣 弘山田 晴生後藤 亮吉
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抄録

【はじめに】  我々は対象者が自らの健康問題に気づき、課題を持ち取り組めるように支援する教室運営を心掛けている。足助病院と共同し、最近着目されているロコモティブシンドローム予防(以下ロコモ予防)に関しての教室を運営した際、体力測定を実施したが、体力の向上が課題の取り組み状況と関連があるかを調査した。 【対象と方法] 平成22年10月~平成23年3月、足助病院診療圏内で2グループ46人を対象にロコモ予防教室を実施した。教室は6か月間全12回であり、1回目と12回目に体力測定を実施した。また早期に健康課題に気づくためのシートを作成し、その健康課題を改善するために対象者自らが計画を立てた。教室では運動実施や生活習慣に関する気付きを与えるような内容のものとし、教室以外の毎日の取り組み状況に関して記録することを勧め、教室開催時に記録と合わせて実施状況を確認した。 【結果と考察】 体力測定項目の前後比較が出来た者は46名中35名(76.1%)であった。またそのうち計画取り組み状況が良好な群11名(31.4%)とそれ以外の群24名(68.6%)の、体力測定項目の前後比較からt検定を実施した。10m全力歩行の歩数・時間と、Time up and Goテスト、開眼片脚立位について有意差がみられた(P<0.05)。毎日取り組む計画には体操実施やウォーキング等の運動実施を採用されている方が多かったため、歩行能力やバランス能力の改善がみられたと思われる。また計画実践できた者には自己効力感が強まり、より課題に取り組む姿勢が強まる。その良循環が体力向上を目指した教室の効果とともに現れた結果となった。 今回は共同事業として実施したが、今後は厚生連本部として愛知県内JA組合員に向けての教室展開につなげていきたいと考える。

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© 2011 一般社団法人 日本農村医学会
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