日本農村医学会学術総会抄録集
Online ISSN : 1880-1730
Print ISSN : 1880-1749
ISSN-L : 1880-1730
第60回日本農村医学会学術総会
セッションID: 1C-14
会議情報

TomoTherapy導入による当院の放射線治療の現状
伊東 宏也
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

TomoTherapy導入による当院の放射線治療の現状
鈴鹿中央総合病院 放射線科 伊東宏也
近年、IMRT(強度変調放射線治療)やIGRT(画像誘導放射線治療)等の技術を用いた“高精度放射線治療”に注目が集まっている。
当院では2010年10月に放射線治療装置の機器更新に伴い、現在日本では20台程度しか稼働していないIMRT専用装置、TomoTherapy(トモセラピー)の導入を行った。
IMRT治療の利点として、従来の装置より理想に近い線量分布を作成することができ、病巣部に対して多くの放射線を照射することが可能となる。
また、病巣周囲の正常組織への照射量を抑えることもできる為、副作用の発現リスクを低減させることが可能となる。
しかし問題点として、治療計画に多くの時間を必要とし (複雑な計算を行う為)、治療計画後の線量検証にも多くの時間が必要になってくる為、緊急照射への対応が困難であることや、1回の治療時間も通常の放射線照射に比べ時間が長くなり、10~15分程度であった治療時間がTomoTherapyの場合では20~30分程度かかる為、スループットが悪いことも問題になってくる。
TomoTherapy1台を、放射線治療医2名、専任の放射線技師2名、専任の看護師1名のスタッフで運用を行っているが、TomoTherapyの導入により院外からの依頼も増え、治療患者は増加傾向にあり、現在新患の治療開始は1~2カ月待ちの状態である。
課題として挙げられることは、開始待ちの時間を短縮できるような効率の良いシステムの構築だと考える。
今回の演題では、当院におけるTomoTherapy放射線治療の現状についての報告と、他のTomoTherapyにはない、“TomoDirect(トモダイレクト)”という新機能についての紹介をしたいと思う。

著者関連情報
© 2011 一般社団法人 日本農村医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top